海外への旅行や出張を予定している皆さん、「現地でスマホがつながらなかったらどうしよう」と不安になったことはありませんか?
空港でプリペイドSIMを探したり、Wi-Fiルーターの受け取りに時間を取られたりするのも、旅のストレスの一因です。
そんな悩みを解決する新しい通信手段が「eSIM」です。スマホに物理的なSIMカードを差し込む必要がなく、オンラインで即時開通が可能なeSIMは、近年急速に普及が進んでいます。
本記事では、eSIMの基本から、海外旅行での活用方法、選び方までを網羅的に解説します。
これから海外に渡航予定の方や、海外での通信手段にお困りの方はぜひ最後までご覧ください。
eSIMとは?
「eSIM」とは「embedded SIM(埋め込み型SIM)」の略称で、スマートフォンやタブレットなどの端末に内蔵されたデジタルSIMのことを指します。従来の物理的なSIMカードと異なり、端末にあらかじめ埋め込まれているため、アプリやQRコードでプロファイル(通信契約情報)をダウンロードするだけで通信が可能になります。
簡単に言えば、「SIMカードの差し替えが不要な通信方法」です。
【物理SIMカードとeSIMの違い】
SIMカード | eSIM | |
形態 | 物理カード | デジタル(端末に内蔵) |
差し替え | 必要 | 不要 |
利用開始 | カードが手に入り次第、設定 | アプリやQRコードで即時発行 |
紛失、破損リスク | あり | なし |
国内eSIMの普及状況
日本国内でも、NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルといった大手キャリアがeSIMを提供しており、格安SIM各社(IIJmio、mineo、LINEMOなど)も対応を開始しています。特に2023年以降、iPhoneやGoogle Pixelなどの主要端末がeSIMに標準対応し、利用者は急増中です。
さらに、総務省が「SIMロック原則禁止」を進めたこともeSIM普及に追い風となっています。これにより、スマートフォンの利用者はSIMを簡単に切り替えられるようになります。
今後は国内のみならず、海外通信との親和性の高さから、eSIMはますます主流になると予想されます。
海外渡航時のeSIMのメリット・デメリット
- 到着後すぐにインターネットが利用できる
渡航前にオンラインでeSIMを購入・設定できます。これにより、到着直後からインターネットに接続でき、地図アプリの利用や配車アプリの呼び出し、ホテル予約の確認などがスムーズに行えます。言語の壁や店舗探しのストレスもありません。 - SIMカードを差し替える必要が無い
SIMカードを抜き差しする必要がないため、紛失や破損のリスクを回避できます。また、SIMピンを持ち歩く手間も不要です。旅行中のホテルや移動中にSIMカードを落とす心配がない点は、特に慣れない土地での安心感につながります。 - 急な出張や経由地対応にも便利
多くのeSIMは購入後すぐにプロファイルをダウンロードすれば利用開始できるため、急な出張や経由地の追加にも柔軟に対応可能です。乗り継ぎ空港でWi-Fiが不安定な場合も、あらかじめeSIMをセットしておけば安心してスマホを使用できます。
- 対応端末が限られている
eSIMを利用できるのは、主にiPhone(XR以降)、Google Pixel、Samsungの一部Galaxyなどの対応モデルに限られています。 - 通信品質のばらつき
eSIMは基本的に現地キャリアの回線を借りて運用されるため、提供会社によって通信速度や安定性に差がある場合があります。 - 設定や操作の不安
eSIMはアクティベーションの手順を自分で行う必要があり、操作に不慣れな人にとってはややハードルが高く感じる場合があります。また、日本語サポートがないeSIM販売事業者も多く、トラブル時に英語での対応を求められることもあります。
eSIMを利用する際の注意点
eSIMの導入は便利な一方、以下のような点に注意が必要です。
<対応端末の確認>
eSIMはすべてのスマホで使えるわけではありません。購入前には必ず確認しましょう。
対応機種の確認方法はこちら
https://dcconnect.jp/2025/04/15/blog-esim-compatible-checkguide/
<SIMロック解除の確認>
日本で購入したスマホはSIMロックがかかっている場合があります。eSIMを使うにはSIMロック解除が必要なので、事前にキャリアでの手続きを済ませておきましょう。
<有効期限とアクティベーション期間>
eSIMには「購入から○日以内にアクティベーション(開通)してください」といった有効期限があります。旅行日程に合わせて余裕を持ったタイミングで購入しましょう。
海外eSIMを選ぶ時のポイント
初めてeSIMを選ぶ場合、次の項目に注意してプランを比較しましょう。
価格だけで選ばず、通信の安定性やサポート対応も含めて検討することが、ストレスのない旅につながります。
①対応国:渡航予定の国に対応しているか
②通信量と日数:使用予定に合ったデータ量と利用期間かどうか
③通信速度や品質:正規キャリア回線を使っているか
④電話番号の有無:現地で音声通話やSMSが必要かどうか
⑤サポート体制:日本語でのサポートはあるか、迅速に対応してもらえるか
eSIMは海外旅行の“新しいあたりまえ”に
eSIMは、海外渡航時の通信手段として今後ますますスタンダードになっていく存在です。物理SIMカードを持ち運ばず、即時開通できる手軽さや柔軟性は、特に魅力的です。「スマートに旅を楽しみたい」「通信トラブルで旅を台無しにしたくない」そんな方は、次の旅行からeSIMを検討してみてはいかがでしょうか。